「無添加」という言葉の定義について調べてみた。 | 無添加のオリゴ糖

無添加とは 定義

「無添加」という言葉の定義について調べてみた。

「無添加」という言葉はどういう意味でつかわれているか?

昭和産業の公式サイトで使われる「無添加」の意味

オリゴタイム・SHOWA

例えば、昭和産業の公式サイトではイソマルトオリゴ糖の機能性について解説していますが、肉や魚の臭みをマスキングする効果に関して次のような文章があります。

鶏肉40gを水またはイソマルトオリゴ糖3%添加溶液100gでボイルし、煮汁のにおい強度を測定しました。においセンサーにて分析を行った結果、イソマルトオリゴ糖を添加した鶏肉の煮汁は、無添加と比較してにおい強度の低下が見られました。

ここで使われている「無添加」という言葉の意味は、「イソマルトオリゴ糖を添加していない」という意味で使われていることがわかります。

以下、他の研究報告ではどのように使われているのか見てみます。

研究報告を調べてみる。

「パンの製品特性・嗜好性に及ぼすおから粉末サイズの影響」 (一社)日本調理科学会平成28年度大会(開催日:2016/08/28 – 2016/08/29)

上の研究報告はおからを使ったパンとそうでないパンを比較したものになります。それぞれ「おから添加パン」「おから無添加パン」という呼び方をしています。ここで使われている「無添加」の意味は先ほどの磯丸とオリゴ糖と同様「おからを添加していない」という意味であることがわかります。

市販されている製品にみられる「無添加」の意味

松屋の場合

店内に「みんなの食卓でありたい松屋」というフレーズが流れる牛丼屋ですが、最近店内のポスターを見てみると「無添加」という言葉が見られます。

松屋の公式サイトを見ても、同じように「無添加」という言葉が使われています(以下引用)。

安心・安全・健康な『無添加』への取り組み。

プレミアム牛めしのおいしさの秘訣は、お肉を煮付けるタレ(通称:丼タレ)にあります!

松屋の『丼タレ』は無添加(※)の天然だしですっきりとした味わいに仕上げており、後味に自然な旨味を余韻として残します。

※松屋の『丼タレ』には化学調味料・人工甘味料・合成着色料・合成保存料を使用しておりません。

ここでいう「無添加」という意味は化学調味料・人工甘味料・合成着色料・合成保存料を指していることがわかります。そもそもこれらがどういうものなのかを簡単に見ていきましょう。

「化学調味料」→ 「うま味調味料」が正式な名前

味の素のうま味調味料

味の素の公式サイトでは「化学調味料」についてのQ&Aがありました。

昭和30年代に呼ばれていたことがありました。(商標)商品名と区別するために公共放送の中で便宜上つけられた名前でしたが、商品の機能を正しく表す名称ではなかったため、今では「うま味調味料」という名称で統一されています。

この説明からわかるように「化学調味料」という言葉は、かなり古い言葉だったことが分かります。スーパーで調味料を調べてみると「うま味調味料(味の素)」という商品を見つけることができます。

体に悪影響を与えるのかどうかに関しては、日本だけでなく、国連食糧農業機構(FAO)、世界保健機関(WHO)のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)、欧州共同体(EC)の食品科学委員会(SCF)から安全であると評価されている点を説明しています。

「人工甘味料」→ 安全性は評価されているが…

「人工甘味料」とは身近で使われている砂糖などとは異なり、化学的な合成によって製造される甘味料のことです。人工甘味料で一番知られているのは以下の3つで、様々な商品の原材料を見ると頻繁に見かけられるものです。

  • アスパルテーム:L-フェニルアラニン化合物
  • スクラロース
  • アセスルファムK

分かりやすい解説をしているものとして独立行政法人・農畜産業振興機構の公式サイトの解説があります。

人工甘味料の安全性に関しては問題ないとするものの、今だにそれを否定する研究報告が発表されることがあります。この人工甘味料もスーパーで販売されています。具体的には味の素のパルスイート®があります。

「合成着色料」→ 現在は「着色料」という名称に

「合成着色料」に関してはシー・アール・シー食品環境衛生研究所の公式サイトにてわかりやすい解説がされていました。

食品にはさまざまな色があり、美しく彩られた食品は食欲を増進させる効果があります。

しかし、長期間自然の発色を維持するのは困難なため、着色料による色つけが古くから行われてきました。

さて、食品の表示を見ますと「合成着色料不使用」という表示を見かけることがあります。この「合成着色料」とは一体どのような物質なのでしょうか?一部例外もありますが、法律上の分類では、食品衛生法による「指定添加物」の着色料が該当し、天然着色料については「既存添加物」の着色料が該当します。平成7年以前は「合成」「天然」という名称で分けられていましたが、改正によりこの名称はなくなりました。「指定添加物」の中でも「食用タール色素」が合成着色料としての意味合いで、よく取り上げられているようです。

「食用タール色素」という言葉が出てきましたので調べてみましたが、スーパーやドラッグストアでは販売されていないようです。

「合成保存料」とは?

「合成保存料」に関しては食品衛生の窓・東京都の食品安全情報サイトの公式サイトにて簡単な解説がされています(「保存料」と説明)。

保存料は、食品の腐敗や変敗の原因となる微生物の増殖を抑制し、保存性を高める添加物です。微生物を殺すことを目的とした殺菌剤とは異なります。

「合成」という言葉が使われている理由などは説明していませんでしたが、代表的なものをいくつか取り上げており、「ソルビン酸」や「しらこたん白」などを紹介しています。

身近なもので見かける「無添加」の商品

ハナマルキの無添加味噌

「無添加」という言葉を使っている商品をいくつか調べてみましたが、上の写真のようにハナマルキの無添加味噌がありました。他にも無添加のふりかけもありました。

ハナマルキの公式サイトを調べてみましたが、「無添加」という言葉の具体的な意味は特に解説されていませんでした。他を調べてみましたが、ひかり味噌株式会社の公式サイトでは食品添加物保存料と説明していました。

オリゴ糖を含む無添加サプリメント「美力青汁」の場合

妊婦のために開発された無添加青汁「美力青汁」というものがあります。

香料、着色料、保存料、人工甘味料、発色剤、漂白剤、防カビ剤、膨張剤、苦味料、光沢剤が使われていない旨が公式サイトにて書かれています。松屋の公式サイト以上に無添加を強調する形となっています。

「無添加」に対する一見解を示しているもの

日本うま味調味料協会日本食品添加物協会では同じ見解を示していました(以下、後者より引用)。

1)「無添加」とは、食品添加物が、原材料の産地から最終加工食品完成までの全工程において、一切使用されてないことをいう。即ち、加工食品において表示が免除される加工助剤、キャリーオーバー、強化剤などの食品添加物も添加されていないことをいう。なお、「不使用」、「無添加調理」等も「無添加」と同じことである。

2)「〇〇無添加」とは、食品添加物〇〇が、原材料の産地から最終加工食品完成までの全工程において、使用されてないことをいう。なお、「〇〇不使用」、「〇〇無添加調理」等も「〇〇無添加」と同じことである。

先ほど、「無添加」という言葉を使った研究報告を紹介していますが、ほぼそれと同じ使い方となっています。

「無添加」の意味は「食品添加物を使っていない」こと

こうやって見てみると「無添加」という言葉が意味するのは厚生労働省が指定する「食品添加物」と呼ばれるものを意味していることが分かります。いくつか解説しているサイトを紹介しましたが、特にその危険性については指摘しておらず、むしろその逆であることが分かります。

ただ、日本では食品添加物として認可されているものであっても、アメリカなどの海外ではそうでないものもあったりします。

オリゴ糖製品自体は「無添加」と言えるのか?

「無添加」であることの条件は「食品添加物を使用していないこと」

先ほど「無添加」に関する見解を紹介しました。もう一度取り上げます。

「無添加」とは、食品添加物が、原材料の産地から最終加工食品完成までの全工程において、使用されてないことをいう。

「〇〇無添加」も同様ですが、こちらの場合はものが特定されています。オリゴ糖の製品は自然のものを抽出したものもあるものの、それは一握りであり、そのほとんどが酵素を使うことによって作り出しています。

さて、それぞれのメーカーが製造しているオリゴ糖製品(メイオリゴやオリゴメイトなど)は様々ですが、これらが製造過程において食品添加物を使用しているのかどうかを見てみたいと思います。

【とりあえず「無添加」】フラクトオリゴ糖の製造過程を調べてみる。

例えば、フラクトオリゴ糖であれば明治の「メイオリゴ」があります。「無添加」という言葉を先の原材料の産地から最終加工食品完成までの全工程において、使用されてないという意味で捉えるのであれば、少し疑問が出てきそうな気がします。

というのも「メイオリゴ」は砂糖を原料にしていますが、その過程で使われる酵素は「β-フラクトフラノシダーゼ(A.niger[Aspergillus niger]由来)」というもので、もしもこれが食品添加物に指定されているのであれば、メイオリゴ(フラクトオリゴ糖)は「無添加ではない」ということになります。

さて、厚生労働省の食品添加物に関する公式サイトでは添加物のリストが全て記載されていますが、調べてみたところ、フラクトオリゴ糖を製造するのに使われる酵素「β-フラクトフラノシダーゼ」は食品添加物に指定されていませんでした。この点からフラクトオリゴ糖自体は「無添加」であると考えることができそうです。

【「無添加」ではない】ガラクトオリゴ糖の製造過程を調べてみる。

ガラクトオリゴ等の場合、ヤクルトで「オリゴメイト」という製品があります。ヤクルト中央研究所の公式サイトの説明を調べてみると、使用されれている原料と酵素について次のように解説しています。

工業的には乳糖を原料として、乳糖分解酵素(β-ガラクトシダーゼ)による転移反応を利用して生産されます。

ガラクトオリゴ糖はその製造過程において使われている酵素名が出てきました。これを厚生労働省の公式サイトにて公開されている食品添加物のリストと照らしあわせてみると、「既存添加物 No.63」に該当するものであることが分かりました。

こういった点からガラクトオリゴ糖は「無添加ではない」という結論を導き出すことが出来ます。

【「無添加」ではない】イソマルトオリゴ糖の製造過程を調べて見る。

オリゴタイム・SHOWA

イソマルトオリゴ糖は昭和産業の公式サイトにて解説がありましたが、その製造方法に関しては記述がありません。そこで研究報告に見られる解説を確認してみました。

1990年「インマルトオリゴ糖の機能特性とその応用」『澱粉科学 Vol.37 No.2』87-97頁

上の資料は1990年と古いものですが、イソマルトオリゴ糖の製造方法についての解説があります(以下引用)。

イソマルトオリゴ糖製品の製造方法は,澱粉にα-アミラーゼ,β-アミラーゼおよび枝切り酵素を作用させて得られた固形分濃度20%以上,固形分基準でマルトース含有量50%以上の糖化液をα-グルコシダーゼにより転移反応させる方法8)が一般に広く用いられている.

ここで出てきた酵素は3種類ありますが、「α-アミラーゼ」はヒトの唾液や小腸にも含まれるものです。

  • α-アミラーゼ:既存添加物 No.15
  • β-アミラーゼ:既存添加物 No.16
  • α-グルコシダーゼ:既存添加物 No.105

こちらで解説されている方法は一般的なものなので現在は分かりませんが、全て既存添加物に指定されているものなので、イソマルトオリゴ糖は「無添加ではない」と判断することが可能になります。

【正真正銘「無添加」】ラフィノースの製造過程を調べてみる。

てんさい糖

ラフィノースは甜菜や大豆に含まれるオリゴ糖として知られていますが、ここでは甜菜から抽出する方法を見てみたいと思います(以下、日本甜菜製糖株式会社・公式サイトより引用)。

  1. ビート精密
  2. クロマト分離装置
  3. 濃縮
  4. 精製結晶化
  5. 乾燥
  6. ニッテン結晶ラフィノース

ここでは「クロマト分離装置」というものが出てきますが、原料であるビート精密からラフィノースのみを取り出すためのもので、その過程で食品添加物は使われることはありません。こういった点から、ニッテンラフィノースの場合は「無添加である」と判断することが可能になります。

【とりあえず「無添加」】乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)の製造過程を調べてみる。

オリゴのおかげ・シロップタイプ

乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)は市販の「オリゴのおかげ」に使われているオリゴ糖です。似た名前を持つもので「ラクチュロース」がありますが、それとは別物になります。「ラクトスクロース」と書かれることが多いですが、学術的には「ラクトシルスクロース」の方が正確であるようです。

さて、原材料一覧で乳糖果糖オリゴ糖を「乳果オリゴ糖」と明記している「オリゴのおかげ」の公式サイトではその製造方法についての説明はありません。そこで他の研究報告を調べてみました。

帯広畜産大学学術情報リポジトリの公式サイトにて公開されている資料に以下のものがありました。

2008年「機能性オリゴ糖」『現代チーズ学』367-378頁

ミルクオリゴ糖とラクチュロース、ラクトスクロースの違いを知る上で参考になるものですが、この中でラクトスクロースの製造方法について簡単な解説があります(以下引用)。

ラクトスクロースは,ラクトースとスクロースを原料として、β-フルクトフラノシダーゼを作用させて調製される。

ここに出てkる「β-フラクトフラノシダーゼ」はフラクトオリゴ糖でも出てきています。食品添加物に指定されているものではないので、この段階で乳糖果糖オリゴ糖は「無添加である」と判断することが出来ます。

オリゴ糖そのものが無添加であるかどうかについての簡単なまとめ

先ほどにも書いたように、オリゴ糖製品自体が「無添加」であるかどうかの評価に関しては以下の三つに分けました。

  • 正真正銘「無添加」:ラフィノース
  • とりあえず「無添加」:フラクトオリゴ糖・乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)
  • 「無添加」ではない:ガラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖や乳糖果糖オリゴ糖の製造過程で使われる酵素「β-フラクトフラノシダーゼ」は食品添加物に指定されていませんが、一方、ガラクトオリゴ糖に使われる「β-ガラクトシダーゼ」は食品添加物に指定されています。

製造過程に使用されているものを見ていきましたが、基本的に酵素であることに変わりないものの食品添加物に指定されていないからといって「無添加である」と判断してしてしまって良いものなのか迷う部分があります。

そういった点から見ると甜菜を原料として酵素を使用することなく抽出されたラフィノースは正真正銘の無添加オリゴ糖であると考えることが出来そうです。

なお、オリゴ糖のサプリメントに乳酸菌を含むものが多いですが、この乳酸菌も「一般飲食物添加物」に指定されているものです(正式名称は「乳酸菌濃縮物」)。