「難消化性デキストリン」について詳しく調べてみました。 | 無添加のオリゴ糖

難消化性デキストリン

「難消化性デキストリン」について詳しく調べてみました。

「難消化性デキストリン」はどう解説されているのか?

松谷工業科学株式会社・公式サイトの解説

松谷工業科学株式会社の公式サイトでは難消化性デキストリンの製品である「パインファイバー」を販売しています。

独自の製品も販売している上に、その機能性についてもわかりやすく解説していますが、その製造過程については触れていませんでした。あと「パインファイバー」のページでは2つの資料が示されていました。どちらもオンラインで確認することが可能です。

「Suppressive effect of resistant maltodextrin on postprandial blood triacylglycerol elevation.」Eur J Nutr. 2007 Apr;46(3):133-8. Epub 2007 Feb 13.

1999年「健常人の食後血糖値に及ぼす難消化性デキストリンの影響難消化性デキストリンの耐糖能に及ぼす影響(第V報)」『日本食物繊維研究会誌 Vol.3 No.1』13-19頁

ここで気になるのは「難消化性デキストリン」の英語名です。「難消化性」という言葉から「indigest」が思い浮かんでしまいますが、実際に使われているのは「resistant」という単語です。

松谷工業科学の公式サイトで公開されている研究報告の数は少ないですが、他にも確認できたので以下に紹介したいと思います。

2007年「難消化性デキストリンを配合したデザート飲料の摂取が女子学生の排便状況および健康状態に及ぼす影響」『日本食物繊維学会誌 Vol.11 No.1』23-31頁

大塚製薬・公式サイトの解説

大塚製薬の公式サイトでは次のように解説しています(以下引用・脚注は省略)。

そもそもデキストリンとは、数個のα-グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称で、デンプンの1種なのです。

……省略……

まず、トウモロコシのデンプンを培焼し、アミラーゼ(食物として摂取したデンプンを消化する酵素)で加水分解します。その中の難消化性成分を取り出して調製した水溶性の食物繊維が難消化性デキストリンです。

ここで「α-グルコース」という言葉が出てきましたが、これは「ブドウ糖」と考えて良いです。「アルファ(α)」が付いていますが、他にも「β-グルコース」があります。

「アミラーゼ」という酵素が出てきましたが、これは人間の唾液や小腸にも含まれているもので、オリゴ糖であれば「イソマルトオリゴ糖」の製造過程でも使われています。厚生労働省が指定する既存添加物の1つでもあります。

国立健康・栄養研究所の公式サイトでの解説

国立健康・栄養研究所の公式サイト【「健康食品」の安全性・有効情報 】には「難消化性デキストリン」についての記事が公開されていました。特に注目したい説明としては概要にある血糖値や血中中性脂肪への機能性に関するものがあります。

血糖値や血中中性脂肪への機能性は、血糖値や血中中性脂肪が高めの人を対象に、難消化性デキストリンを4g以上の量で負荷食 (炭水化物、また高脂肪) とともに摂取した条件で得られている。従って、難消化性デキストリンの機能性を期待するのであれば、機能性が期待できる対象者、食品中の難消化性デキストリンの含有量、摂取方法に留意することが重要である。

特に血糖値に関しては、オリゴ糖でも同様の機能性が示唆されているものが多いですが、どのぐらい摂取すればよいのかという点に関しては参考にしても良いかもしれません。

あと、興味深いものとして英名が「Indigestible Dextrin」となっていました。

独立行政法人農畜産業振興機構・公式サイトの解説

独立行政法人農畜産業振興機構の公式サイトでは難消化性デキストリンの構造式(推定)が紹介してありますが、構成されている単糖の数は10個を超えています。この点から難消化性デキストリンは多糖類に属するものであることが分かります。

妊娠・授乳中の方や乳幼児が摂取しても良いのか?

この記事では「難消化性デキストリン」を説明する上で3つのサイトを紹介しましたが、オリゴ糖のように妊娠・授乳中の方や乳幼児が摂取しても良いものかどうかについてまとめてみました。

  • 松屋工業科学株式会社:特に説明なし
  • 大塚製薬:特に説明なし
  • 国立健康・栄養研究所:信頼できる十分な情報が見当たらない

そもそも1日の摂取上限量(ADI)が定められていないものなので、妊娠・授乳中の方や乳幼児が摂取しても問題ない気がしてしまいますが、企業サイトでは特に説明がなく、また国立健康・栄養研究所の場合も信頼できる十分な情報が見当たらないとしています。

オリゴ糖の場合もこういったケースがあり、例えば「乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)」の場合も、「オリゴのおかげ」の公式サイトでは問題なし、もう一方では「信頼できる情報がない」と少しズレがあるものもあります。

原料は「とうもろこし澱粉」という解説が多い。

難消化性デキストリンの原料について調べてみると大抵は「トウモロコシの澱粉」と書かれているものが多いです。時折「ジャガイモ(馬鈴薯)」が原料であると説明しているところがありますが、実際はトウモロコシばかりのようです。

そもそもデキストリンは単糖類であるブドウ糖が結合したものですが、そのブドウ糖の場合だと、原料はジャガイモ(馬鈴薯)であるのがほとんどです。

「デキストリン」についての簡単な補足説明

「デキストリン」については「グルコース(ブドウ糖)」が複数結合したものであることは先ほど大塚製薬の公式サイトを参考に説明しました。複数といってもどのくらいの数なのかははっきりできませんが、難消化性デキストリンと同様、少糖類ではなく多糖類であることは明白です。

「マルトデキストリン」について

デキストリンの中でも「マルトデキストリン」と呼ばれるものがあります。マルトデキストリンは、定義はそれぞれ微妙に違いがあると思われますが、ブドウ糖(グルコース)が8~12個程つながったものであると解説されています(国立健康・栄養研究所の公式サイトによる)。

マルトデキストリンの構成数を見るとオリゴ糖に近いことが分かる

ブドウ糖は単糖類なので結合したものの個数を念頭に入れると、マルトデキストリンは「単糖類が2~10個結合したもの」を定義とするオリゴ糖と非常に近い関係にあることがわかります。

その一方で、デキストリンは単糖類が11個以上で構成される「メガロ糖」や100個以上とする「多糖」に分類されるものであることがわかります。

そもそもデキストリンやマルトデキストリンの違いはDE(デキストロース当量)と呼ばれるブドウ糖への還元力を現した数字で区別されるものなのですが、単純に単糖類の構成数で説明した方が分かりやすい気がします。

『週刊新潮』2017年3月30日号掲載記事「トクホの大嘘」に関わる情報

コカ・コーラのトクホ版が販売されたのを皮切りに週刊誌で以下のような特集が組まれました。

【トクホの大嘘】「魔法の成分」難消化性デキストリンは効き目ゼロだった(上) 血糖値の上昇は抑制されない

【トクホの大嘘】「魔法の成分」難消化性デキストリンは効き目ゼロだった(下) 脂肪の吸収抑制・排出増加も嘘だらけ

この内容は『週刊新潮』2017年3月30日号に掲載された「難消化性デキストリン」に関する情報です。

群馬大学教育学部・高橋久仁子教授が助言されていますが、同じ内容でFOOCOM.NETの公式サイトにも寄稿されています。

また、もう一人、千葉大学山本啓一名誉教授も最初に取り上げた、松谷化学工業株式会社が発表した論文について反論しています。

「Effect of Resistant Maltodextrin on Digestion and Absorption of Lipids」【J Health Sci, 55(5),838―844, 2009】

「Suppressive effect of resistant maltodextrin on postprandial blood triacylglycerol elevation.」Eur J Nutr. 2007 Apr;46(3):133-8. Epub 2007 Feb 13.

内容自体は非常に興味深いものですが、これを機に今後も色々な研究報告が行われるかもしれません。

難消化性デキストリンに関する研究報告

2016年『医薬品情報学 Vol.18』掲載のメタアナリシス分析

難消化性デキストリンの機能性に関しては賛否両論あるようですが、最新の研究報告ではどう評価されているのか気になります。そこで2017年に公開されているものを調べてみました。

2016年「日本人を対象とした食後血糖値上昇に対する難消化性デキストリンの効果: 二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験のメタアナリシス」『医薬品情報学 Vol.18 No.4』289-294頁

この資料は、1990年から2016年5月に及ぶ臨床研究論文を調べた上での考察で、主に血糖値に関わるものに焦点を当てています。「メタアナリシス」という手法になるのですが、複数の臨床研究をまとめ、総合的に解析する方法になります。

この考察で興味深いのは、食後の血糖値に改善が見られない場合に処方される「ベイスン錠」と比較した場合、難消化性デキストリンの方が長期接種による安全性が高い可能性を推測した点にあります。

料理と難消化性デキストリンの関係

2016年「難消化性デキストリンと料理におけるスープベースとの相性に関する調査」 (一社)日本調理科学会平成28年度大会

上の報告は、難消化性デキストリンを料理に使用した際にどのような変化があるのかを採点法によって評価したもので、作った料理は和食だと味噌汁とすまし汁、洋食だとチキンブイヨンとフュメドポアソンです。

この調査では難消化性デキストリンと汁物との相性が良いことが示唆されたようです。