「難消化性オリゴ糖」と呼ばれるものについて調べてみました。 | 無添加のオリゴ糖

難消化性オリゴ糖

「難消化性オリゴ糖」と呼ばれるものについて調べてみました。



「難消化性オリゴ糖」と呼ばれるものについて

一般的に「オリゴ糖」と書かれることが多いですが、その種類は膨大です。比較的知られているものではフラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖、乳頭果糖オリゴ糖にラフィノースなどがありますが、基本的にこれらは「難消化性」という性質を持ち合わせています。

しかし、オリゴ糖の中にはその逆の性質をもつものも存在しているのです。「難消化性オリゴ糖」という言葉自体は一般的には使われることがないので、人によっては「オリゴ糖=難消化性」というイメージを持つことも多いかもしれません。

「難消化性」はどういう意味なのか?

フラクトオリゴ糖を例に…

私たちが普段口にする甘いものと言えば「砂糖」があります。これは単糖類であるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結びついた「二糖類」になります。

また一方で、フラクトオリゴ糖と呼ばれるものは、砂糖に果糖が更に1~3個結合したものの総称で、その個数によって正式名称が変わります。

さて、砂糖を口にすると、それは唾液に含まれる酵素や小腸にある酵素によって分解され、単糖類であるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)となってしまうのが通常です。

フラクトオリゴ糖も同じようになるかと思われますが、フラクトオリゴ糖の中で「1-ケストース(GF2)」「ニストース(GF3)」の2つは唾液や小腸の酵素によって分解されないものであるということが分かっています。

「難消化性」は「消化酵素によって分解されない」という意味である。

このように「難消化性オリゴ糖」という言葉は、オリゴ糖の中でも「消化酵素によってブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)に分解されないオリゴ糖」という意味で使われており、フラクトオリゴ糖であれば「1-ケストース(GF2)」や「ニストース(GF3)」を指すものとなります。

「難消化性」という言葉を使ったものでは、他にも「難消化性デキストリン」と呼ばれるものがありますが、意味は全く同じで、それだけでなく性質も極めて近い関係にあります。

フラクトオリゴ糖が「難消化性」であることを検証した研究報告として以下の資料があります。

1986年「新しい糖質甘味料フラクトオリゴ糖の生体利用とその用途」『栄養学雑誌 Vol.44 No.6』291-306頁

その他・オリゴ糖の「難消化性」を示す研究報告

ガラクトオリゴ糖の場合

フラクトオリゴ糖を例に挙げましたが、他のオリゴ糖でも「難消化性」を検証する実験が行われています。以下はガラクトオリゴ糖のものです。

2004年「ガラクトオリゴ糖の難消化性の検討」『日本食品科学工学会誌 Vol.51 No.1』28-33頁

ガラクトオリゴ糖の製品「オリゴメイト」を製造しているヤクルトの公式サイトを見ても、オリゴ糖を「難消化性オリゴ糖」と紹介していません。

ラクトオリゴ糖(?)の場合

別のオリゴ糖だと次のものがあります。

1993年「熱処理により調製したラクトオリゴ糖の生理効果」『日本栄養・食糧学会誌 Vol.46 No.6』473-482頁

ここでは「ラクトオリゴ糖」で、製品名は「Pine lacto」となっています。ラクトスクロース(乳糖果糖オリゴ糖)かと思ってしまうのですが、原料が乳糖とショ糖でない点からして「ラクチュロース」かと思われるのですが、実際のところは不明です。

発表者の所属が松谷化学工業株式会社と書かれてあるので公式サイトを調べてみましたが、難消化性デキストリンに関するものはあるものの、オリゴ糖製品である「Pine lacto」はありませんでした。もう扱われていないのかもしれません。

なお、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース・乳果オリゴ糖)で有名な「オリゴのおかげ」の公式サイトではその特徴について難消化性の糖質と説明しています。

キシロオリゴ糖の場合

キシロオリゴ糖に関するもので難消化性について触れているものがありました。

1990年「キシロオリゴ糖の製造と性質」『澱粉科学 Vol.37 No.2』69-77頁

以下、キシロオリゴ糖の難消化性に関するものを引用します。

マルトースは唾液,すい液,小腸刷子縁ホモジネート液によって分解されるのに対し,キシロオリゴ糖は各消化酵素にはまったく分解されなかった.それに対し,フラクトオリゴ糖,大豆オリゴ糖は胃液で分解され,イソマルトースは小腸刷子縁ホモジネート液で分解されている.キシロオリゴ糖は摂取した後,消化酵素で分解されず,低pHの胃酸にも分解されることがなく,吸収されないまま大腸に達し,ビフィズス菌の増殖促進物質として有効に利用されることが示唆された.

ここで興味深いのはフラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖が胃液で分解されるという点でした。先ほどでも取り上げていますが、フラクトオリゴ糖は「唾液や小腸の酵素によって分解されないもの」であるというものでした。しかしながらこちらの実験では胃液で分解されることが示されています。

他の資料で少し新しいものを当たってみましたが、以下のものでは消化酵素に対する抵抗性がきわめて高いことが種々の方法で証明されているとのことなので、スルーしてしまっても良いかもしれません。

1999年「難消化性糖質 (フラクトオリゴ糖) のミネラル吸収促進作用」『日本栄養・食糧学会誌 Vol.52 No.6』387-395頁

ラフィノースの場合

甜菜を原料とするラフィノースに関しては難消化性について検討している資料が見つけられませんでしたが、「難消化性オリゴ糖」の1つとしてラフィノースを取り上げているものがありました。

2010年「難消化性オリゴ糖による抗アレルギー免疫調節 大豆などに含まれるラフィノースにアレルギー抑制効果.プレ・プロバイオティクスとの関わりは? 」『化学と生物 Vol.48 No.4』234-236頁

日本甜菜製糖株式会社の公式サイトでも、ラフィノースの特徴として「難消化性」という言葉を使用していますが、「難消化性オリゴ糖」という言葉は使っていません。

商業面と学術面で言葉の使い方が異なる。

オリゴ糖の「難消化性」を検証する研究報告をいくつか見てみましたが、企業サイトで解説されているオリゴ糖と学術面で解説されるオリゴ糖では、その言葉の使い方に違いがあることがわかります。

比較的新しいものかと思いましたが、1990年代の研究報告でも見られるので、「難消化性オリゴ糖」という言葉自体はどちらかというと学術面で使われることが多いものと見るべきでしょう。